畳の耐久性や使い心地が変わる?!畳床の種類を解説

畳床の種類

畳床の種類
今回は畳の内部である畳床について詳しく解説していきます。畳は、畳の表面の畳表(たたみおもて)、端についた畳縁(たたみべり)、畳の内部の畳床(たたみどこ)の主に3つの材料から作られています。この中で畳床は唯一、普通に生活していてお目にかかることはありません。しかしほかの2つと同様に、畳床は畳の構造の中で重要な役割を果たしています。そんな畳床を詳しく知っていくことで、より快適に畳を使うことができるでしょう。

畳床(たたみどこ)の素材別の特徴

畳床の素材は、大きく分けて3種類です。それぞれについて詳しく解説していきます。

わら床/稲わら

わら床は、昔から長年使われてきた天然素材です。積み上げたら40cm前後となる稲わらを圧縮して畳床にします。わら床の良さは何といってもその機能性です。中でも、調湿性・断熱性・耐久性・防音効果は優れています。また、足さわりもよく絶妙なクッション性も持っています。これらは畳床が畳の内部に空間を作ることができるために生じるメリットです。中に空気が含まれていることで、外の寒い空気や湿気が床から部屋に入り込むことを防いでくれます。さらに防音性にも優れています。そして寿命が長いのも特徴です。畳は、畳床に畳表や縁を縫い付けて作られますが、稲藁の畳床だと針穴が残りにくいので、表替えや裏返しで繰り返し縫っても床へのダメージが小さいです。また、適切に畳替えなどのメンテナンスをして使えば20年から30年は使い続けることができますよ。ここまで良い点ばかり上げてきましたが、デメリットもあります。それは重いことです。1枚で30kg以上あり、男性でも移動させるのは一苦労だと思います。大掃除や引っ越しなど自分で動かそうとすることもあるかもしれませんが簡単ではありません。どうしても動かしたいときや畳替えのときには、畳店など慣れている業者に相談するようにしましょう。
稲わら/わら床(いなわらたたみどこ)

建材床/木質ボード+ポリスチレンフォーム

わら床は機能性が高いですが、重いという難点もありました。わら床に近い機能性も持ち合わせつつ軽量で、現在、主流となっている畳床が建材床です。これは、木の繊維でできたボードと、断熱材としても使われるポリスチレンフォームを組み合わせて作られた畳床です。建材床は断熱性に優れ、重量もおよそ15kgとわら床の半分ほどですので、扱いやすいのが魅力です。わら床に比べると硬いと感じる方もいるかもしれませんが、わら床よりも低コストなので、現在は建材床が主流となっています。
建材床/木質ボード+ポリスチレンフォーム

わらサンド畳床/稲わら+ポリスチレンフォーム

この畳床は、稲わらの間にポリスチレンフォームを挟んだ構造です。ポリスチレンフォームの断熱性・軽量性、稲わらのクッション性を併せ持っています。特に、断熱性・遮音性・保湿性に優れています。さらに、わら床よりも虫がつきにくいのも魅力です。
わらサンド畳床/稲わら+ポリスチレンフォーム

畳の内部『畳床(たたみどこ)』

畳は畳表(たたみおもて)、畳床、畳縁(たたみべり)の主に3つの材料からできています。畳表は畳表面のござのことです。匂いや見た目の色など、品質や機能を大きく左右します。畳縁は畳の両端についている細い布のことです。畳を保護することに役立っています。またいろんな柄やカラーがあり、デザイン性や部屋の印象にも大きな影響を与えます。そして畳床です。畳床は畳の内部構造のことで、通常外から見えることはありません。しかし、機能面に与える影響はとても大きいです。畳床によって、畳ならではの足さわりやクッション性を持ち、断熱性、防音性など機能を持つ床材となっています。

畳床のメリット・デメリット

ここまで、畳床がどんなものかを紹介してきました。ここからは、それぞれの畳床のメリットとデメリットを紹介します。

畳床のメリット

わら床のメリットを紹介します。わら床の特長は寿命が長いことです。これは環境にやさしいだけでなく、畳を新しく購入する費用を抑えることができます。また調湿性、吸湿性、耐久性にも優れています。伝統的に使われていた畳は、機能性もかなり高いのです。建材床のメリットは、大量生産が可能で、同品質のものを大量納入でき、価格が安いことです。また、軽量のため簡単に畳を移動させることができます。わらサンド畳床のメリットとしては、比較的軽くて丈夫であること。機能面では、特に断熱性・遮音性に優れます。

畳床のデメリット

わら床のデメリットは重いことです。1枚30kgを超え、自分で持ち運びしようと思った際に大変不便です。建材床のデメリットとしては、リサイクルに課題があります。中には環境にやさしく、リサイクルしやすい商品もありますが、色んな素材が含まれているので、処分の手間がかかります。また、ある程度の機能性はありますが、耐久性や調湿性、吸音性、クッション性でわら床に劣ります。わらサンド畳床も健在床と同様、わら床に比べると寿命は短く、処分に手間がかかることがデメリットです。

機能を高めた畳床

最近は値段だけでなく、機能面にこだわった畳床もたくさんあります。ここでは3つ紹介します。1つ目は、畳床を薄くした畳です。これは、フローリングに敷くタイプに多く見られ、置き畳やユニット畳として使われます。薄い畳の利点は転倒しにくくなることと、フローリングの上で使えることです。高齢の方や小さな子供は少しの段差でつまずき、転倒して大きなけがにつながる可能性もありますので、安全に使える置き畳はおすすめです。2つ目は、竹炭のシートを使用した畳床です。竹炭の脱臭・殺菌・調湿効果を利用してより機能面を高めています。畳の上をはだしで歩くことも多く、足の裏の皮脂が畳に残ることもあります。そうなると畳に菌が繁殖しやすくなります。そんなときに殺菌・脱臭効果を持つ竹炭の果たす役割は大きいです。3つ目は、ヤシの実繊維を使用した畳床です。ヤシの実繊維は、ダニやカビに強いという特徴を持っています。い草や稲わらはダニやカビに弱い傾向にあります。ヤシの実を使用することで、清潔に使えるだけでなく、畳の寿命を長くすることも可能です。

まとめ

畳床は畳の内部のことで、畳の機能面に大いに貢献しています。畳床の種類は大きく3種類あり、「わら床」と「建材床」と「わらサンド畳床」です。わら床は調湿性や吸音性やクッション性に優れています。しかし非常に重いです。そんなわら床のデメリットを解消したのが、建材床・わらサンド畳床です。建材床やわらサンド床が用いられるようになり、持ち運びやすく、畳の生産も向上しました。日頃、見えない畳床ですが、その特徴を知ることでより快適に畳を使うことができますよ。
タタミズキ

『畳・襖・障子の専門店タタミズキ』はこちら

  • 網戸
  • 暮らし
  • 障子
  • 全国の畳店